笑福亭和光のブログ わこ仙人が行く!

笑福亭鶴光門下の落語家。寄席ほか各種落語会等に出演中。公演依頼は随時承ります。

上方風落語

師匠から、上方落語を教えて頂けるというのは有り難い。

しかし、ご承知の通り上方の人間でない和光がやると、若干ニュアンスとか違いが出てしまって、不自然になる。変になる。最悪、落語として成り立ってない時すらある。

関東と関西は、言葉の捉え方が違うケースがある。もちろん二分する以外にも、細かくすると個人個人になるが。

師匠みたいに、上方の人が上方言葉を言うと、全く違和感を感じない。

和光が言うと、その言葉に関東の人が今どう感じてるかが分かるので、教わった落語も、若干修正をしてしまう。

手水回しの中の一節、

「昨晩お泊まりになった大阪のお客さんがチョウズを回せと言うてはりますが、どうなさいます?」

この短いセリフの中に、関東の人が(一瞬?)嫌悪感を示す言葉があります。

そう、「お客さん」です。関東では、お客「様」。関西では親しみを込めて使う、さん付けは、関東では馴れ馴れしいと受け止められがち。

セリフの中に、文化の違いを見るんです。素晴らしい(笑)。

修正を重ねるほど、上方落語から遠ざかってしまう。サジ加減が大変難しいですね。簡単に移植出来ない最大の理由はこれですね。

ほとんど、落語家というより研究家です(笑)。