下流の石は磨かれて丸いと書いたが、落語もそうです。
昔から師匠から弟子へ、また弟子へと洗練されて来てるので、言葉にムダが無い。
ただ、現代では分かりにくくなった言葉はあります。特に上方の言葉は難しい。
「時うどん」の中の台詞、
「食いたかったら食え!」
「食わいでかい!」
…この「食わいでかい」が、ピンと来ない(笑)。
現代語に訳すと、
「食べないわけないじゃないか。」
…なるほど。
言葉の選択は、ニュアンスというか感覚というか、考えるほど難しくなる。
この場面を、とある先輩が、
「食いたかったら食え!」
「食うよ!」
とやってて、目からウロコでした。
これでいいのだ。
噺家が、会場の空気を掴んでノッて来た時、理屈なんて吹き飛ぶ時がある。
言葉は難しく考え過ぎてもあかんね。生き物ですわ。あーこわっ!