笑福亭和光のブログ わこ仙人が行く!

笑福亭鶴光門下の落語家。寄席ほか各種落語会等に出演中。公演依頼は随時承ります。

上方風落語

「あっしャァ、夢なんざぁ見ちゃいねえんスから。」

江戸の古典落語の代表的な言葉というと、このセリフを真っ先に思い浮かべる。いかにも江戸っ子らしい、落語「天狗裁き」の中の一節だ。

古典落語をやる場合、落語家は言葉に注意する。

確かに現代語とはかけ離れている。今の落語家は地方出身者も当然多い。無理やり直して喋ってもウソっぽいし、というても落語の世界にお客様を引き込まないかんし、難しいところ。ましてや地方の訛りが混ざると、余計おかしな具合になってしまう。

サラッと江戸弁が出来る人、なんとなく聞きやすいトーンを生まれ持ってて違和感がない人、努力の末に喋れるようになる人、…落語家によって様々。

和光は困ったもので、自身では上方「風」落語だと思ってます。確かに生まれも育ちもバラバラで、なおかつ現在は、師匠、鶴光に稽古をつけてもらうから、もうムチャクチャかも。師匠からは異星人と言われてます(笑)。

特に「東の旅」という、上方落語を代表する噺なんかやる時は、どこか自身の中に不安と躊躇があります。9年経ちますが、なかなか吹っ切れまへんな。

悪気があるわけやない。鶴光のような落語をやりたい!その一心で選んだ人生です。

まぁ、深く悩まない性格なので、テキトーに(時には緻密に)やってますけど(笑)。